根拠に基づく腰痛の原因と治療の文献・データを紹介します

根拠に基づく腰痛の原因と治療とは?

 根拠に基づく医療は、現在、世界中で研究発表されている入手可能な最良のエビデンス(証拠・根拠)を把握した上で、さまざまな個性や症状のある個々の患者さんにとって最善の医療を提供しようとする一連の行動指針であり、サイエンス(科学的根拠)とアート(施術者の臨床技能・患者さんの価値観・患者さんの状況)の統合を意味します。
 



脊椎外科医が患者なら99%の先生は治療しない?

 腰痛の原因はいまだに謎だが、椎間板変性を腰痛の原因と考える脊椎外科医は23%のみで、その患者に固定術か椎間板置換術を選択すると答えた脊椎外科医はわずか1%。もし自分が患者なら99%が保存療法か放置すると回答http://1.usa.gov/katDsM 
 TMSジャパン公式ブログより

レントゲン撮影をして、椎間板変性があるから手術しかないと言われませんでしたか?



椎間板ヘルニアは必ずしも痛みの原因ではない。


『まずは椎間板ヘルニアです。腰痛の代表格であり、坐骨神経痛を起こすと言われています。しかし、椎間板ヘルニアが画像で認められても、それが必ずしも痛みを起こしているわけではないことが明らかになってきているのです。』

椎間板ヘルニアが、腰痛が起こった時にあったのかどうかは、わかりません。

菊地臣一 『腰痛のナゼとナゾ―“治らない”を考える』メディカルトリビューン 2011年 19ページ




椎間板ヘルニアは手術より保存療法が有益か?

『2年間にわたる追跡調査によると、坐骨神経痛を有する椎間板ヘルニアの手術は保存療法より有益とはいえない。職場復帰率や長期活動障害率においても手術の優位性は認められなかった。坐骨神経痛は手術を受けるか否かに関わらず時間が経てば改善する。http://1.usa.gov/igqtA0』
TMSジャパン公式ブログより

 坐骨神経痛の患者さんで、手術を勧められている方は、保存療法を選択したほうが良い場合があるということですね。



椎間板ヘルニアは手術より保存療法が優位か?

『坐骨神経痛に対する椎間板手術は、保存療法よりある程度の優位性を示すものの一過性でしかない。ノルウェーのRCTでは1~4年間優位性が持続したが
http://1.usa.gov/lflO3P、オランダのRCTでは1年未満だった http://1.usa.gov/l8WVTV。』

1年から4年間、坐骨神経痛の症状が良くなっていれば、良いという方は、手術が優位であるといえるかもしれません。しかし1年で症状が戻ってしまってもいいですか?

 RCTとは、ランダム化比較試験(RCT:Randomized Controlled Trial)の略であり、治験及び臨床試験等において、データの偏りを軽減するため、被験者を無作為(ランダム)に処置群(治験薬群)と比較対照群(治療薬群、プラシーボ群など)にぶり分けて試験を行い、評価を行う試験のことである。


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自分の腰痛の原因が、今まで腰椎が6個あるからと思っていたのに、よくよく考えてみると、奇形は手術ができないはずだ。
また骨に異常があるにもかかわらず、病院で処方されたのは湿布である。湿布は筋肉に対するもので、骨を減らすわけでもない・・・・。ではなぜ湿布などを処方するのだろう?



ヘルニアがあっても腰痛は治る?

 海外の研究では、スイスからの報告に、画像診断を受けた健常者の76%に無症状の椎間板ヘルニアがみられたという報告があります。また、フィンランドの研究によると、腰痛経験者の約半数が、MRIによる画像診断で椎間板に変性がみられない正常の所見だったことがわかり、「腰痛と椎間板変性との間には関連性がない」と結論づけています。さらに米国からは20歳から80歳までの腰痛や脚の痛みを経験したことがない人々の画像診断の結果、21~36%に椎間板変性がみられたと報告されるなど、従来のように「ヘルニアの存在=腰痛の原因」とする考え方を否定する研究結果が相次いでいます。
 菊地臣一 『腰痛のナゼとナゾ―“治らない”を考える』メディカルトリビューン 2011年 24-25ページ



身体の治療の半分の費用で、効果は12ヶ月持続した!

イギリスで行なわれた701例を対象としたRCTでは、数回にわたる集団での認知行動療法によって慢性腰痛の疼痛と活動障害が改善され、その効果は12ヶ月も持続しただけでなく、費用も一般的な腰痛治療の約半分に抑えられた。http://1.usa.gov/mobdNx
TMSジャパン公式ブログより





急性腰痛(ぎっくり腰)では、安静は禁物?

フィンランドの研究者は、急性腰痛の患者さん186名を次の3つのグループに振り分けて、その経過を追っています。

  1. 2日間、安静に寝ているグループ
  2. 伸展・側屈運動を主としたストレッチをしてもらうグループ
  3. 耐えられる範囲で日常生活を続けてもらうグループ

経過をみるタイミングは、開始時、3週間後、12週間後の3回

その結果、開始時はほぼ同じ程度からスタートしましたが、3週間後、12週間後、どの時点でも、最も回復が早かったのは日常生活を続けてもらったグループで、最も回復が遅かったのは安静に寝ていたグループという結果がでまあした。
 菊地臣一 『腰痛のナゼとナゾ―“治らない”を考える』メディカルトリビューン 2011年 58ページ

ぎっくり腰を何度も繰り返した私は、その都度、レントゲンを撮影し、「骨には異常ありません。」と診断され、安静をすすめられていました。
今考えると、レントゲンで骨に異常なかったら、何が原因?なのって聞ければ良かった。
その当時は、今のような知識を持ち合わせていませんし、骨に異常がなかったらOKだと思っていたので、納得していたんでしょうね。
私の治療院に来院されるぎっくり腰(急性腰痛)の患者さんには、我慢できる範囲での日常生活をしてもらうようにアドバイスしています。
だってそれが一番早く回復するからです。




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長い時間座って仕事をするから腰痛になる?

1985年~1997年に発表された座業と腰痛に関する論文の体系的レビューによると、座業が腰痛のリスクファクターであるというエビデンスは見出せなかった。座りっぱなしの仕事が腰痛と関連するという世論の裏付けは存在しない。
http://1.usa.gov/shb6dx TMSジャパン公式ブログより

患者さん方とお話をしていると、座っている時間が長いことが腰痛の原因になると考えている方がほとんどです。実際に私も、長い間、座っていることが原因になると考えていました。
しかし、長い時間座っていても、腰痛になる人とならない人がいることを考えていると、やはり座っている時の感情(ストレス)に関係性が高いのではないかと思っています。
座業で腰痛になる方もいると思いますが、それを証明するエビデンスが無かったということですので、座業(多くのかたがデスクワークですよね)の方にとっては朗報ではないでしょうか。

腰痛
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